介護, 医療, 老後, 豊かに老いる

誤嚥性肺炎|食事を食べたがる患者~「とりあえず禁食」から看取り問題としても考える~

誤嚥性肺炎という診断をされると、まず治療方針として示されるのは「絶食」でした。以前は、昔からの慣習のようなものが引き継がれてきた部分が多くありますが、ここ数年で考え方が大きく変わりつつあります。

まだ、昔からの治療方針に固執してしまい、絶食療法が絶対!として頑なに閉ざしてしまう医療者や、病院方針として責任や業務の煩雑化という課題など複雑な問題も絡むため、大きく変わることは難しいかと思われます。

ただし、禁食期間が短ければ短い程その後の予後が良い(回復の見込みが高い)という認識は、その経験から誰しも感じている部分でもあるんです。(だた、経験の少ないこと、自信のないことは、積極的に方針を劇的に変えるということは難しいですよね。人の命に係わる問題なので…)

高齢化が進み、ここ最近で看取りの話もよく取り上げられるようになってきており、とくに高齢肺炎は避けては通れないものなので議論も活発です。 “誤嚥性肺炎|食事を食べたがる患者~「とりあえず禁食」から看取り問題としても考える~” の続きを読む

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洗濯洗剤とアトピー性皮膚炎|皮膚のバリア機能を壊す

ずっと以前より、洗剤柔軟剤リンスボディーソープなどの合成洗剤は肌に良くないのでは…という議論が繰り返されてきました。洗浄に使用することのメリットもあれば一部でデメリットもあるのは、どんな商品であっても当然あり得ることです。
ただ、合成洗剤の出現、そして普及によって時代とともにアレルギー疾患の分野も複雑化してきたという見解もあり、そのため様々が研究が成されきたというのも事実です。

洗髪の仕上げに使うリンスについては、〝地肌に付けないように、水で流す際には肩などの肌に付かないように〟と周りの大人から教わったことがある人も多いのではないでしょうか。リンスと同じく、衣類の柔軟仕上げ剤の主成分も陽イオン界面活性剤で、〝肌の弱い方や、ましてや赤ちゃんには使ってはいけない〟と長年言われて参りました。

そう言われてみれば、そんな記憶あるかもしれない…と思った方も、そんなこと全然聞いたことないんだけど…という方も、せっかく興味を持ってこちらのページのご覧頂いたのも何かのご縁です。少し身の回りの合成界面活性剤について見返して頂くきっかけになればと思います。 “洗濯洗剤とアトピー性皮膚炎|皮膚のバリア機能を壊す” の続きを読む

医療, 心身ともに健康に

ノロパンチ?ノロアウト?アルコール消毒剤の効果は?|ノンエンベロープウイルスに対してどう使うか

「ノロ〇〇〇」という商品名で店頭に並んでいるアルコール消毒スプレーを目にすると、本当にノロウイルスに効果はあるの?と疑問に思う方も少なくないでしょう。

お子様の学校でノロウイルスが流行っている時期や、または、実際ご家族がノロウイルス感染症にかかって消化器症状が出てしまった場合とても気になる商品だと思います。日常的なノロウイルス予防に使うのか、あるいは感染者の吐しゃ物・排泄物の対処に使うのか、判断に困ります。

一般的には、ご家庭などでのノロウイルス対策には次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒剤が用いられるのが常識とされていますが、塩素系ならば全ての消毒剤に十分な効果があるわけではなく、次亜塩素酸水や亜塩素酸水、亜塩素酸ナトリウム(二酸化塩素)など様々な商品が『除菌』という定義の曖昧なものとしてに売られるようになってきました。

今回は、アルコール消毒剤のノンエンベロープウイルスに対する効果はどうなのか、そしてその有効な使い方について調べてみようと思いました。
厚生労働省が、次亜塩素酸ナトリウムを推奨している点も含めて、賢く使い分けできるようにしたいですね。 “ノロパンチ?ノロアウト?アルコール消毒剤の効果は?|ノンエンベロープウイルスに対してどう使うか” の続きを読む

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延命治療|心肺蘇生術が行われないよう拒否する同意書

最近では、高齢者が老人ホームに入居した際などに、延命治療に関する意思確認や事前指示書といった書類の提出を求められることが増えてきました。しかし、いくら事前に本人の意思を事前に確認して準備をしていたとしても、いざ最後の時と知り面会に来た親戚の一言で全てが覆ってしまうことが非常に多く、後々の介護者家族を苦しめることも珍しくありません。

老人ホーム側で用意された意思確認書(事前確認書)があっても、たとえ家族代表のキーパーソン含めケアマネージャーと周到に準備をしていても、いざその時が来ると「とりあえず救急車で病院へ…」という親族が現れ、「とりあえず胃瘻をつければ、また入居受け入れてくれる施設もあるし…」という意見も沸いてでてきたり「他の親族に恨み言を言われるかもしれないから、とりあえず人工呼吸器をつけた方がいいかな…」などと、ズルズルと本人の意思とはかけ離れた状況になっていくのです。

その〝とりあえず〟という判断は、介護者家族の複雑な思いの現われかと存じます。

でも、その〝とりあえず〟の判断は、誰のための判断なのか?と考えた時、大抵の場合、脳裏を横切るのは遠い親族や生活を共にしていない家族の顔でしょう。 “延命治療|心肺蘇生術が行われないよう拒否する同意書” の続きを読む

医療, 心身ともに健康に

化学物質過敏症の患者数が急増;「誰でも発症する可能性のある病気です…」

2018年7月13日、NHK東北の10分ニュースにて〝香りで苦しむ「化学物質過敏症」〟というタイトルで報道がありました。

全国放送では、NHKですら企業側に配慮した番組編成となることが多々あり、地方局の方が患者の現状に向き合った充実した内容になることはありません。

全国放送では、触れることが難しい内容なのかもしれませんが、今回の報道された推計患者数に驚愕した方も多いと思われます。

NHK 東北 NEWS WEB〔香りで苦しむ「化学物質過敏症」:https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180713… “化学物質過敏症の患者数が急増;「誰でも発症する可能性のある病気です…」” の続きを読む

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【受動喫煙】こんなに深刻だった!あさイチ~放送を見て~

【受動喫煙】どう減らす?|NHKあさイチ|2018年3月19日(月)

本人がたばこを吸わなくても、他人のたばこに煙にさらされる「受動喫煙」。本当に健康に及ぼす影響をご存じですか?・・・

 

前週から事前情報が出回り、医療関係者や患者団体など期待を抱きつつも、一方、また業界団体の圧に屈する結果になるのではないかという不安も入り混じりつつ本放送を視聴した方も多いことと思われます。

たばこ業界からの圧力とスポンサーとしての影響力から、これまで多くのメディア(テレビ、新聞なども含む)は踏み込むことができなかった情報でもあります。NHKは公共放送でありながら、これまで利権を害する具体的な表現をさせてきた印象があります。

今回、時間という制限がありつつも、国家の統制からも自立し、公共の福祉のための放送として責務を果たしたと評価する声も多く聞こえます。

国営放送であったのなら、JT筆頭株主の財務省やたばこ議員連盟からの干渉により、今放送はおろか国民の健康が犠牲になっているなど一切知らされることは無かったかもしれません。また今回、番組内でたばこ議員連盟に触れ、視聴者も驚く情報になったことはキャスターの反応からも明らかで、受動喫煙対策に反対する日本の政治の闇に気付いた視聴者は多くいたと思われます。 “【受動喫煙】こんなに深刻だった!あさイチ~放送を見て~” の続きを読む

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香害病院~ニオイは大事な情報源~

香害病院という言葉聞いたことありますか?ここ数年、香害、スメハラ、柔軟剤マーキング・・・生活の中に溢れる香りに嫌悪感を抱く言葉をよく耳にします。本来香りとは無縁なはずの病院ですが、近ごろ無意識にも芳香性製品の安易な使用が多くなり、体調不良で訪れる患者をさらに苦しめているようです。

急な応援でとある医療機関に赴いたところ、院内に充満する香りに驚きました。患者が家庭より持ち込む香りも一部あるでしょうが、忙しい業務の中で職員がフローラルの香りをまとって院内を小走りに仕事をしています。このとき、香害病院という言葉を思い出し、患者の健康に不都合な結果しかもたらさないと痛感したしました。

医療従事者であれば職務理由上「香水は禁止」は当然のことと認識しているはずですが、香り付き・防臭機能付き商品が氾濫するなかで抵抗感が薄らぎ、次第に院内に持ち込むようになってしまったと考えらます。ヨーロッパなどでは、アロマオイルは単なる癒し雑貨ではなく、医薬品として流通し一部の国では医師、薬剤師のみ精油をブレンド(調剤)・販売(投薬)が認められています。いわば、医療従事者は、揮発性有機物質(香り)によるの影響を甘く考えてはいけない立場にあり、不特定多数の方々に揮発性有機物質を吸引させてはなりません。 “香害病院~ニオイは大事な情報源~” の続きを読む