香料による健康被害に対して各国では関連法規がありますが、日本では成分を特定することすらできません。そんな日本では、昔から新たな法律を制定するにも時間がかかり、企業からの法人税や役人とのしがらみから国主導の法規制が設けられることは難しい状況です。
受動喫煙対策にしても、国の規制では「甘すぎる」「骨抜き」と批判が多く、結局は都道府県やその他自治体で国を上回る条例を制定しようという動きが多くなってきています。
それは「香害」についても同様です。
香料自粛のポスターを作成するなど、周知を図る自治体が増えてきましたので、一覧にまとめます。
シックスクール問題に苦しむ子ども、妊婦健診に通う必要のある人、香料アレルギー自体やその他アレルギーを増悪させてしまう等々…問題に公共性の高い施設への掲示と周知にご利用ください。
また、引き続き消費者庁への相談も併せてお願いします。
消費者ホットライン℡188:http://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
福岡県庁:無
タバコや化学物質による健康被害について、犬や猫への悪影響についてなら県として発信できるようだ。ペットに関するデータのほうが、むしろ信頼度の高い文献を入手するのは難しいはずだが…
『タバコや化学物質による犬や猫への影響に注意しましょう』
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/inuneko-tabaco.html
ペットに関しては常識から考えて情報として発信するのならば、人間にも同様に当てはまること。嗅覚の鋭さだけの問題ではない、鼻粘膜の表面積や、解毒・代謝能力などから発展させ、人間に置き換えて考えれば分かること。明確なデータのないペットでの注意喚起ができるのなら、実際に被害を訴えている人間の声からも「香料自粛」「素人判断で殺菌剤を撒かない」など被害者の声を反映することができるはず。
でも、やらないのは、何故だろうか。怠慢か。
日本消費者連盟調べによると、香料による被害を訴える声は全都道府県から報告が挙がっている。そして、香料などの新規合成化学物質の吸引により、新時代のシックハウス症候群(住宅内に留まらないシックハウス症候群)として化学物質過敏症患者が爆発的に増えている。
いつまでも、その声を抑え付けて野放しにしておく訳にはいかない。
福岡市:無
「国において、その病態や発症メカニズムについて未解明な部分が多いため、今後も新たな知見の収集に努めていく」2018年3月代表質問からの回答;ふくおか市議会だより
国が指針を示さねば、我々の知るところではない…という意。福岡市の自治権は機能しているのだろうか、都合の良い部分だけ成果を調子よく報告するタイプを想像する。
市は、シックスクール問題すら把握できでいない。
食の安全安心推進委協議会≪平成30年第1回議事録≫より、学識経験者による化学物質過敏症の存在について話がでているのは素晴らしいこと。だが、食品衛生法の中だけで解決は非常に難しい。
ここ数年で激増している化学物質過敏症の主たる原因は、洗剤・柔軟剤・除菌消臭スプレーなどの法律で全成分開示する義務のない分類の商品にある。そして、既存の法律では、その成分を把握する術もない。
北九州市:無
『シックハウス症候群と化学物質過敏症』
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/ho-huku/file_0270.html
HP上では説明の記載はあるが、興味のある人でもこのページに行きつくことは少なく、そこまで有意義な情報ではない。既存の揮発性有機化合物(VOC)規制でシックハウス症候群は発症しない、というのは完全なる勘違い。
みやま市:対応不可
「国・県から対応が示されないとできません」…自治権の放棄に等しい。
http://www.city.miyama.lg.jp/info/prev.asp?fol_id=2661
◆国が対応に乗り出せない理由について、まとめたものを載せておく↴
国の指示を待っているような自治体は、誰の健康も守れない。子どもの健康も犠牲になる。↴↴↴
佐賀県庁:無
『化学物質過敏症をご存知ですか』
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334512/index.html
ポスターなどはなく、興味を持った人だけが閲覧できるHP上に僅かに記載あり。ただし、化学物質過敏症の専門の医師は、その辺にはいない。そう簡単に医療機関へご相談を、と記載してよいものではない。
ただ、生活衛生課だけに丸投げすることなく、教育、住宅建材、農薬などなど…多課で対応しなければならないという積極的な姿勢が伺える。
しかし疑問なのは、教育庁学校教育課の問い合わせたとしても、シックスクール対応などあるのだろうか。探したところで、そのようなマニュアルなど見つけることはできなかったし、そのような生徒がいたとしても各市町村の教育委員会に任せるというスタンスというのは、一部他の自治体にも見受けられる。
発症していなくても、急激に増加している現代病であり、大人が未然に防ぐように対策に動かなければならない。
そして、昨今問題となっているのは、洗剤・柔軟剤・除菌消臭スプレーなどの日用品に含まれる成分であり、その相談は「医薬品、化粧品等に関するお問い合わせ先」で受け付けてもらっても医薬品・化粧品のように成分が特定できるものではない。成分が特定できない以上、国やメーカーは因果関係が無いとして逃げ果せるのみ。
「子育てし大県」https://saga-kosodate.jp/などと、出会い~子育て~を推し進める表面的なものではなく、今いる子どもを始め、県民の健康を守る対策の方が優先されるべきかと。結果、子育て世帯が住みよい環境となる。いくら自然にあふれた環境で子育てしようとしても、揮発性有機化合物の濃度の高い環境では将来の子どもの健康リスクも高いまま。
今、子どもたちに起こっていることを、しっかり把握したほうが良いと思う。ぜひ今後に期待したい。
長崎県庁:無
とことん何も無し。
前述でも記載したが、日消連は全都道府県より香料などによる健康被害の報告があがっている、としている。子どもたちは、一部の家庭から持ち込まれた香料や抗菌剤に苦しめられ、香害シックスクールも多く知れるようになった。化学物質過敏症を発症してしまうと、日常生活もままならない程の状態へと悪化するパターンも多い。
そんなとこすら把握できず、子育て世代に向けた「子育て移住体験ツアー」など力をいれている。長崎の都合のよいう魅力だけ紹介するようなことは想定の範囲内で参加する家族も多いだろう。
子育て支援も移住者に対するバラ撒き政策で終わるなら、移住を取りやめたいと後悔したのちが悲惨だ。
熊本県庁:無
直下の市町村が賢明に取り組んでいるにも関わらず、何もしない。熊本地震の折、避難もできなかった患者もいることを、その経験が全く活かされてない。
熊本市:有
市民団体の熱心な活動の甲斐あって、支援の輪は広がっている。
「化学物質過敏症」は1クラスに1~2人いても珍しくない状況にまできてしまった。その大きな理由は対応の遅れ。
何もせずに黙認し続ければ、患者数は増える一方。体の弱い特殊な人間だけが発症するという思い込みから、誰がいつ発症してもおかしくない生活環境になってきたと、1人1人が危機感を持って対応しなければならない。
そして、なにより重要なのは、「香りブーム」「除菌ブーム」以降に症状が出るようになった方々。化学物質過敏症という診断がなくても、早い段階で不調に気づき対処さえすれば、回復の可能性もありえる。
現状では、化学物質過敏症の専門医にかかることさえ難しく、受診できても公的な保証なども受けられる選択肢は極わずか。ならば、原因を遠ざけ、予防が原則という考えになるのが道理。発症後の患者対応に焦るのではなく、予防すれば手間もお金もかからない。
そして、化学物質過敏症の診断の有無が重要なのではなく、身近な化学物質の影響で、他人のアレルギー症状を悪化させたり、片頭痛や喘息を重篤化させたり、男女関係なく不妊につながるとも指摘されていることなど。ご自身の家庭内のみで自己責任で使ってもらうだけであれば、問題がここまで深刻化するようなことは避けられた。
『シックハウス症候群・化学物質過敏症について』
https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=21345&class_set_id=2&class_id=166
また、熊本市は患者を孤立させないよう、相談窓口も設けている。患者会につないでもらい、サポートできる体制が構築され始めている。
しかし、それも患者会に丸投げ対応だ、という批判も一部ある。
根本的な解決が成されなければ、患者数は増え続けていくことは既に目に見えている。行政が直接介入しなければ、収拾がつかなくなる。
大分県庁:無
さすが大分、なんにもない。ヤジ議員のジョイフルが有名。
なぜ、「犬・猫のシックハウス症候群」については記載ができて、人間の声を拾えないのだろう…
https://www.pref.oita.jp/site/doubutuaigo/situnaisiyou.html
※上記:福岡県にも記載ご参照を。
宮崎県庁:無
同じく。
なぜ、「犬や猫などのペットに対するタバコや化学物質の影響について」と注意喚起ができて、人間の訴えには耳を傾けられないのだろうか。もはや偽善的。
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/eiseikanri/kenko/ese/20170105153714.html
※上記:福岡県にも記載ご参照を。
鹿児島県庁:無
シックハウス症候群についても、特定の13物質のみ基準内に管理できれば発症しないかのような間違った解釈、さらに揮発性有機化合物(VOC)の概念が完全に抜けている。
http://www.pref.kagoshima.jp/ah12/kurashi-kankyo/sumai/kankyo/hoshin4/theme13/13.html
VOCの重要性を認識し、他自治体では踏み込んだマニュアル作りに乗り出しているところもある。
国から手取り足取り指示されなければ何もできないのか。せごどんで盛り上がっているかのようなHPだが、平成の時代も終わり、完全に自治能力も衰えたか。
沖縄県庁:無
各市町村で、化学物質過敏症の周知を求める声が挙がっている。そして、何度でも書くが、日本消費者連盟調べにより香料の健康被害は全都道府県から報告が確認されている。
このまま香料による健康被害が広まれば、さらに化学物質過敏症の発症者も多くなり、症状の重篤化も歯止めが効かなくなる。
空気の良い自然豊かな場所だから関係ないというのは思い込みであり、外気の大気よりも家庭内の大気汚染が原因となり、さらに80%以上が吸入(呼吸)により取り込まれると言われている。
「田舎だから有り得ない」という思い込みは、勘違い。
◆香料を取り込む吸収経路について、以前まとめたものがあるので載せておきます。↴↴↴
※2018年9月調査
※殴り書きのため荒い文章ご了承を
◆香料自粛・化学物質過敏症の周知への全国の流れに↴ 戻る ↴↴↴