7月はじめ、愛犬家・愛猫家の情報雑誌が登録会員のもとに届きました。≪2018年8月号≫
その雑誌とともにサンプル品も一緒に同梱されていたのですが、そのサンプルの1つ「消臭ビーズ」の臭いが本誌や振込用紙にまで移っているという悲痛な叫びが各地から聞こえて参りました。
そもそも、愛犬家・愛猫家はペットを家族同然に大切にして、無香料の生活を心掛け、洗剤などにも注意したり、食事にも気を使ってる方も多くいらっしゃいます。
そんな購読会員として登録している方々の元に、とても強烈な臭いの洗濯用品を届けるというのは専門情報誌として失格なのではないか、とさえ思いました。
サンプル品とはいえ、その商品とタイアップした雑誌の内容もあり、非常に信憑性にかける内容に愛ペット家達は怒りをあらわにさせる方もいらっしゃいました。
愛猫家の元には、雑誌とともに「フード」と「消臭ビーズ」のサンプルが一緒に・・・
香料の臭いが移ったフードを、愛猫に食べさせてあげたいとは思わないですよね。
犬や猫は鼻毛が無く、粘膜の面積が広いため、臭いにとても敏感にできています。タバコなどの発癌物質、その他香料などのアレルギー物質は犬猫の鼻の粘膜に付着し、アレルギーや喘息になる危険性があります。さらに、犬では鼻腔や肺の癌、猫では悪性リンパ腫の原因になりうると言われています。
そして、犬や猫は薬物代謝(解毒)の能力がヒトを比べて明らかに低いのです。特に猫は、グルクロン酸抱合という解毒能力がありません。解毒できないアロマオイルなどの成分はそのまま蓄積し、肝臓に深刻な負荷をかけます。
その点をしっかり理論的に理解していれば、ペットを飼う人間の責任として危険なものを避ける行動は当然といえます。
それまで元気そうに過ごしていたにも関わらず、急に肝不全を起こしたり、解毒ができたとしても排泄が追い付かずに腎不全になってしまう可能性が高いのです。
アロマオイルでさえ猫の健康に深刻なダメージを与えてしまいます。それが、人工の香料であれば、さらに深刻な影響を受けてしまうと考えが及ばないのでしょうか?
そんな、犬や猫には避けるべき「香り付き商品」を、消臭剤として利用する方法までも本誌に掲載していたのです。
特に猫は自分やお互いの体を舐めてグルーミングをします。
香料の刺激のみならず、香料を食べてしまうことになりますよね。
ペットと共に暮らす方は、柔軟剤など「衣類に残留させることが目的」のため使わないようにしている方までいらっしゃる程…。
専門情報誌として信用を失ったと言っても過言ではありません。
過去の購読誌によると、「猫の嗅覚は、人間の1~10倍!!もっとも嗅覚でストレスを受けやすい」とありますね。
人間でさえ、郵送されてきた時点「消臭ビーズ」の強い臭いで鼻に違和感を感じました。1~10万倍も嗅覚の優れた猫にとっては、相当なダメージになることは容易に想像できます。
香り付きの猫砂やトイレ用品、お掃除グッズなどもありますが、人間が「香り」を知覚できるということは1~10万倍ものダメージとなって猫の負担になっている、という意味になります。
また、昨今〝香害〟という言葉が広がっているように、人間の健康にも悪影響が出ている事態です。
体臭恐怖症を煽り、香料に溢れた生活の方が魅力的だと宣伝を続けていますが、ぺットや人間の健康を脅かしています。遠い将来の心配ではなく、今現時点で起きていることなのです。
8月号の試し読み:https://pet.benesse.ne.jp/dogcat/view…☜より。
ここ最近、消臭剤・洗剤メーカーが臭気判定士という肩書を利用し、何かと臭気に対して批判的にコメントしては消臭・殺菌グッズを使うよう推奨します。
この方は企業で消臭・殺菌グッズの開発にも携わる方で、自ら「絶対嗅覚」などと称しています。
以前にも、少し記事を書きましたが、嗅覚試験の合格率は90%以上(相対的には95%)とのこと。
この資格は「においかおり環境協会」による制度であり、悪臭法の改正に伴い必須となった臭気を数値化するために設けられました。
最近、臭気判定士による〝消臭・殺菌ビジネス〟が加速している動きがあり、その背後に大手洗剤・消臭剤メーカーの存在を確認できます。
◆詳しくは、こちらに記載しました↴↴↴
この協会には様々な測定器を製造しているメーカーも多くいます。協会に属し、懸命に公衆衛生の問題に取り組む企業が大半かと思われます。
しかし、機械では測定できない臭気を「絶対嗅覚」と称して主観的な評価を押し付けるのは、この資格が制度化された根底から大きく異なっています。
臭気判定士は介することで、さも客観的な臭気評価であると思わせる企みもあるのだと、周知いただければと思います。
消臭・殺菌ビジネスに惑わされることなく、大切なペットや家族の健康を守りましょう。
警察の捜査員の方々が、「小鳥」と共に捜査にあたっていたことを覚えていらっしゃいますか?
体積が小さく、解毒能力が追い付かないペットを人間の命を守るためにセンサーとして活用されました。幸い、捜査に同行した小鳥たちは1羽も犠牲にならずにすみましたが、人間の健康に悪影響が出る前に、大切なペットが犠牲になっている可能性もあります。
先日、猫好きで知られる芸能人の猫が突然死したとネット上で少し騒ぎがありました。その方は柔軟剤の香りが大好きなことでも有名で、多くのペット愛好家から指摘を受けていた経緯もあります。
柔軟剤を使い始めてから、長年飼育していたカブト虫が絶えてしまったという話もありますが、特に驚くようなことではないと考えられます。
ペットが犠牲になったとしても「安全性に問題はない」とする企業側の姿勢は変わりありません。むしろ、物言わぬペットや赤ちゃん~子供だからこそ、証拠はないというスタンスなのではないでしょうか。
そして、ペットにとても心地よい空間こそ、赤ちゃんや子供にも安心安全な場所であって、それは人間の健康を守ることにつながるのではないでしょうか。
日本には、「予防が原則」という概念での規制はできません。
既に諸外国では規制されている香料や、揮発性有機物質でも、日本では〝因果関係を証明しなければ規制はしない〟という現状です。
証明するために20年の歳月がかかることは、受動喫煙対策問題から見てもも明らかですので、自己防衛するしか方法はありません。
ペットだけでなく、長い年月をかけて人間の身体を蝕んでいきます。