日本に帰国すると、まず感じるのが異様なクサさ・・・
特に電車では各々がまとった臭気が混ざり合い充満し、芳香剤だらけのトイレにいるかのような車両。
帰国したらまず寿司食べようかなどと楽しみにしていましたが、その食欲も失せる程のニオイが充満し年々さらに酷くなっていると感じます。それは私だけが感じてることではなく、一緒に帰国(入国)した知人らも深刻に感じる程です。
確かに、肉食文化の根強い国の方々のほうが体臭が強いです。比較すると日本人には、もともとの体臭の強い方などいません。(正直、日本人の腋臭も大したことない)・・・体臭がキツイ日本人の原因は喫煙にあり、それは嗜好品による問題なので先天的なものではありません。
最近ではその煙草の臭さだけでなく、喫煙臭をマスキングするための消臭剤(消臭剤なのに製品そのもののニオイが強い)や、頭(整髪剤)~衣服(柔軟剤)~指先(ハンドクリーム・ボディークリーム・香水など)まで、全身から発せられる一貫性のないニオイにフレグランス文化の未熟さを感じます。
日本でもやっと受動喫煙問題に関する条例などが施行されるようになりましたが、対応の遅さには呆れる他ありません。戦後の政策としての文化的な背景からか、身近な環境たばこ煙にも「気にし過ぎ」「不寛容」などと真面に取り合わない姿勢が未だ根強いと感じます。
しかし、たばこ煙のニオイを感じ取った時点で、環境たばこ煙を吸引していることは明白です。当然のことですが、鼻で吸い込まずにニオイを感じ取ることは不可能ですよね。
そして、いまでは3次喫煙を避ける動きが主流になっています。つまり、たばこ煙のニオイを他人に感じさせるなど言語道断であって、ニオイがなくても目に見えないガス状物質なども衣服や壁紙などに付着してるので吸引を避けるよう対処すべきという考え方です。たばこ煙のニオイさえなければ問題ない、する考えは既に古い。
たとえば新幹線。駅構内は禁煙ではあっても、新幹線のホームには喫煙所があり2次喫煙すら避けられません。喫煙室を設けている車両もあるほどです。そして、以前は喫煙席として利用されていた車両もいまだに活用されているといい、衣服や髪の毛や内装などに付着した残留環境たばこ煙を吸うことが3次喫煙に該当します。座席シートは交換されているかもしれませんが、壁や空調機器の全取り替えまで施している車両はないのではないでしょうか。
昨今日本でも増えつつある禁煙の飲食店についても同様です。店内禁煙や敷地内禁煙が進んでいることは、これまでの日本を振り返ればかなりの前進といえます。しかし、少なくとも空調フィルターの交換くらいしなければ、残留環境たばこ煙を屋内で循環させているだけといえます。
一部例をみるだけでも、日本のたばこ煙に対する危機意識はこれほどの差があり、先進国とは思えない程だと感じる方が1人でも多くいらっしゃれば幸いです。これを「極論だ」と否定したがる方も多くいらっしゃると思いますが、それこそ日本の程度の低さの表れです。発がん性などの有害性が認められているにも関わらず、いまだ根性論で他人に我慢を強いることがまかり通る国です。
日本は分煙先進国を目指すとしていますが、2次・3次喫煙も共に絶対避けられる訳がありません。日本は先の震災で、目に見えないものへの恐怖を思い知ったはずです。安易に比較できる問題ではありませんが、放射能は怖いけど、たばこ煙くらいは我慢しろと言われれば我慢するのですか?
しかも、消臭剤を撒いておけば全て解決するというイメージは、企業側が作り上げた戦略です。消臭剤で、環境たばこ煙に含まれる物質を分解することができるのですか?PM2.5対応の空気清浄機でも、PM2.5未満のガス状物質は除去できません。危機意識すら持たない素直な日本人は、自らの意識を変えなければ臭い国のまま。さらに今後もアンモニアの添加量が多くなり、日本国内のたばこは臭くなる一方ですが・・・国は規制するどころか国民の健康も守ってくれません。
日用品メーカーは煙草のニオイを消すという消臭剤も製造していますが、あれは「消臭」というよりも「マスキング剤」です。消臭成分そのものがクサい・・・また、消臭機能付き・高残香性の洗濯用洗剤や柔軟仕上げ剤も強烈なニオイを発しています。
「もともとのアメリカ製の柔軟剤の方がクサいよ!!」という方、あちらの洗濯機と日本で一般的に使われている洗濯機はそもそも違いますし、洗濯方法や文化も全く違います。
まず、洗濯については水温が違います。大概の洗濯機は家庭用のものでも≪Hot・Warm・Cold≫から選べるます。カナダでも同じでした。HotかWarmで殺菌・消臭もできるので、Coldを選ぶことはありません。縮んでしまうような繊細な素材の小洒落た衣類は普段服としては着ることはありません。
そして、全て洗濯乾燥機にかけるので、天日干しをする文化はありません。そもそも西海岸エリアでは夏場の気候は良いのですが、秋~冬は連日どんよりジメジメ。気候的な意味もあり、洗濯乾燥機すらない貧しい家だと思われてしまいます。もともと日本のように小まめに洗濯をする習慣はなく、週に1~2回まとめて大量の洗濯物をコインランドリーで一気に洗濯するか、一軒家の場合はランドリールームにこもって約1週間分をまとめて洗濯~乾燥~アイロン仕上げまでします。
多国籍地域もあるので一部例外もあるでしょうが、基本この地域にすむ人々の生活上、冷水で洗って外に干すということは圧倒的に少ないのです。日本でも購入できるアメリカの柔軟仕上げ剤の臭いは強烈に感じるかもしれませんが、そもそも洗濯文化が異なるので日本人がイメージするほど衣類に強い香りは残りません。
アメリカの柔軟剤に刺激を受け、日本でも数多くの香り付き柔軟剤が出回るようになりましたが、その持続性が曲者です。日本の高残香性柔軟剤は衣類に触れると他の物にもニオイが移りますよね。正直、迷惑です。少し指で擦っただけなのに、その指からなかなかニオイが取れず、石鹸で洗ってもニオイを落とせません。本当に迷惑です。消臭成分も配合しているという柔軟剤に関しては、「消臭」どころか本当にクサいです。
日本が誇る、繊細な香りを楽しむ文化は廃れていくでしょうね。
日本では残念ながら、ただの雑貨です。純度やあ精製度合いに規制すらなく、合成香料や残留溶剤があっても精油(アロマオイル)として販売できてしまいます。そもそも芳香成分などは感覚を刺激するのもなので、大なり小なり人体への影響を想定しなければなりません。さらに精油(アロマオイル)は、油層に有効成分が濃縮されたものなので注意して扱う必用があります。
ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、アロマオイルは数々の薬効から医薬品指定されている国もあります。処方を受け、調合されたものを投薬してもらわなければなりません。
そういった欧州の背景から、医薬品指定まではいかないまでも精油(アロマオイル)の基準が設けられていたり、みだりに不特定多数に吸引させるようなことはしません。アロマ付き公共交通機関、タクシーなどはそのような予備知識もない方々のレベルの低い発想としか思えず、良くも悪くもなにかしら健康に影響があることを想定しなければなりません。万が一悪い影響がでてしまったら、知らなかったでは済まされません。
空間演出として、アロマオイルを用いたサービスを導入する店舗や宿泊施設もあるとか・・・。そのアロマを妊婦や授乳婦が吸引しても大丈夫ですか?乳幼児にも成長に合わせて選ぶべきものですよね。そして、持病のある人にとっても切実な問題となります。冷静に考えれば、サービスでも御もてなしでもないと気付くはずなのですが、香りビジネスに悪い影響を受けてしまっています。
2010年には、アメリカのミシガン州デトロイト市で香料規制に乗り出したのは、市職員が同僚の香料で健康被害(呼吸困難)に陥り、それがきっかけでした。
翌2011年、オレゴン州ポートランド市でも市職員に香料の自粛を呼びかけるようになりました。オクラホマ州タトル市では市民に対して香料の自粛を訴えるなど、全米に香料使用の自粛の動きが広まっています。
同年、カナダのノバスコシア州ハリファックス市は、「職場での香料不使用」を宣言し、その後も香料不使用の企業・学校・病院が増えています。
北米で「香料自粛」の動きが広まる中、マーケットを日本市場に移し販売攻勢を強めています。規制もなく、何をするにも御上(国)の顔色を伺う日本では対応も遅い。また日本にマーケットを広げられれば次はアジア市場まで広がりに速度が増します。このように、北米に広まる「香料自粛」の動きと、市場の変化もあり、今の日本は北米以上に強い香り製品に溢れているのです。柔軟剤、洗濯用洗剤、食器用洗剤、消臭剤、芳香剤、整髪スプレー、制汗剤だけでなく、ハンドクリーム、文房具、日焼け止め、マスクなどなど・・・何にでも香りを付ける企業の節度のない状態は加速しています。
欧州(ヨーロッパ)の化粧品産業においては、化学成分の人体に対する安全性に加えて環境衛生も慎重に考えいます。今後は他の予測しえないような事態も生じるかもしれない状況では、EUの採ってきている「予防的原則」の考えがますます重視されてくるでしょう。健康や環境を重視する基盤があり、経済界をも的に回すほどの大胆な規制もされており、日本とは正反対の対応です。
煙草の問題にも共通して言えることですが、他の先進諸国は「安全であることの証明」が必要という考え方が一般的ですが、逆に日本では「健康への悪影響があると因果関係を証明」しなければ規制はされません。その証明のために数十年も国民の健康が犠牲にされ、経済的な政策を優先させる国の姿勢が伺えます。安心・安全のために厳しく規制された国と思い込んでる方も多いとは思いますが、一歩外の世界に足を運んでみればそのイメージは作り上げられたものだったと感じます。受動喫煙防止条例のように、自治体が独自に動き始めなければ規制されることはないでしょう。
煙草と消臭剤のニオイ混ざりも酷い悪臭ですが、全身から様々な香料が混ざり合うともはや異臭です。全身から一貫性のない香りを放つ人はセンスの欠片もないな、と感じます。それは日本にはそもそもフレグランス文化はなく、というよりも必要なかったので香水の付け方すら知らない人も多くいらっしゃるのでしょう。
香水を浴びるように付けるアラブ系の方々もいらっしゃいますが、風呂に入る文化がないのです。カナダで出会った留学生は、月に数十万円の留学費用を国から受給し、高級マンションに住み高級車を購入して留学ライフを満喫していました。そのような方は、電車なども乗る必要もなく、十分に香水が付いているにも関わらず絶えず追加しています。そして、学校にも在籍してるだけで行きません。
一方日本人は、全身が香料まみれでも満員電車には乗る、毎日8時間狭い職場で同僚と仕事をしなければならない、さらに夕方に別の香料を追加してディナーに行く・・・。もうフレグランスの扱い方は未熟です。何種類もの香り製品をまとって、香りを演出してるつもりでしょうけれど自己満足で低俗。上半身から立ち上るほどの香料を付けての食事は、勘違いなマナー違反。(飲食店によっては、他のお客様の迷惑にならないよう隅の方の特別席に案内されてしまいます。)料理の香りは、味にも大きく影響します。
もし、香りで自分を魅力的に演出したいなら、パーソナルスペースで感じる香りを1種類のみ。時間の経過とともに刻々と変化するよう計算されていて、自分の体臭と馴染み織りなすように魅力を引出していきます。それが香水です。香水の魅力を生かしたいならば何種類も重ね付けしてはいけません。それを踏まえると、柔軟剤などは明らかに貧乏くさいです。