香料による健康被害に対して各国では関連法規がありますが、日本では成分を特定することすらできません。そんな日本では、昔から新たな法律を制定するにも時間がかかり、企業からの法人税や役人とのしがらみから国主導の法規制が設けられることは難しい状況です。
受動喫煙対策にしても、国の規制では「甘すぎる」「骨抜き」と批判が多く、結局は都道府県やその他自治体で国を上回る条例を制定しようという動きが多くなってきています。
それは「香害」についても同様です。
香料自粛のポスターを作成するなど、周知を図る自治体が増えてきましたので、一覧にまとめます。
シックスクール問題に苦しむ子ども、妊婦健診に通う必要のある人、香料アレルギー自体やその他アレルギーを増悪させてしまう等々…問題に公共性の高い施設への掲示と周知にご利用ください。
また、引き続き消費者庁への相談も併せてお願いします。
消費者ホットライン℡188:http://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
都道府県コード順≪北海道~東北地方編≫
議員の方々の働きかけや北海道新聞による協力が大きい、観光資源や観光に来る方の健康についても真剣に取り組んでいる、市民の健康のために行動力をもって周知活動をする自治体もあればシックスクール問題に関心すら示さない地域もある。
北海道庁:無(2018.8/21確認)
「日本消費者連盟に相談してください」と消費者団体に丸投げ、自治権を以て取り組む予定もなさそう。専門医による啓蒙活動や患者団体も積極的に活動している中、各自治体の取り組みなども把握していないようで非常に残念に感じた。
さっぽろ健康スポーツ財団:http://www.shsf.jp/nishi-gym/news_info/?no=983
小樽・子どもの環境を考える会:https://blogs.yahoo.co.jp/kankitiao/10740544.html(小樽市は関与したがらない)
生活クラブ北海道:http://sekkennet.org/cat3/1612.html(札幌市の公共施設で掲示→北広島・江別・石狩にも展開中)
石狩市消費生活センター:http://www.city.ishikari.hokkaido.jp/uploaded/attachment/22653.pdf (※日本石鹸洗剤工業協会により「使用量」の問題にされていますが参考までに)
札幌市:『知っていますか?香りのエチケット』
http://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/sick/documents/kaori_poster.pdf
『香りのエチケット』
http://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/sick/kaorietiketto.html
もともと、市長は弱者の声を自治に活かそうと積極的な姿勢。公式ポスターも、ついに作成という流れになった。
ただし、「香料」だけの問題と受け取られかねないため、今後の周知活動に期待する。香料を対処しようと、除菌消臭剤や消臭系柔軟剤を頻回使用する方々も現れる等々…という懸念もある。
見た目にもインパクトのあるポスター作製に乗り出してくれたからには、ぜひ有効活用したい。
旭川市:啓発用リーフレット http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/135/136/138/p001980_d/fil/sikkuhouse.pdf
(香料もタバコと同様に健康被害をもたらすと訴求、未発症の方の健康のための予防の記載がある点が素晴らしい)
※市HP内にも「公共の場など人が集まるところでは香料(香水、芳香剤、香りの強い柔軟剤・洗濯用洗剤等)等の使用に配慮しましょう。」とある。→http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/135/136/138/p001980.html(このページを印刷し公共施設の管理者への説明にも)シックハウス症候群は住宅建材由来のみという古い時代の知識ではなく、現代病としての情報がアップロードされた内容。
さらに、旭川市教育委員会では、児童生徒が各々の健康や障害によって学習権を奪われないように相談窓口も設けている。→http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/218/251/252/p000926_d/fil/3-ri-furetto.pdf(化学物質過敏症についても記載がある)
青森県庁:無(2018.8/21確認)
香料による健康被害は、悪臭として環境基準の範囲内であれば生じえない。対応できる部署もなく、聞いたこともない。
岩手県庁:無(2018.8/21確認)
専門に扱ってる部署はないが、シックスクール問題など香害の相談を頂ければ個別に対応する。
県議会議員の方々と患者団体が積極的に活動している。これ以上「香害」に苦しむ県民を増やすことのないよう、安全で安心して住みよい地域にしようと勉強会を開催している。
化学物質過敏症対応の防災対策についても議論されているほど、他の都道府県のかなり先を行く。
宮城県庁:無(2018.8/21確認)今のところポスターはないが、近々国民生活センター(宮城)ホームページ上に「香料自粛について」注意喚起を載せる予定。消費生活センターと保健所で対応に当る、との事。
尚、県庁HP内に『化学物質過敏症』についての記載があり、柔軟剤・香料・芳香剤などの例も挙げてある。
難病対策班に相談できるシステムもあり、県として情報を集約しようという姿勢が今後の対応に期待できる。
疾病・感染症対策室:https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/situkan/multiple-chemical-sensitivity.html
市町村単位で啓蒙活動も活発。
仙台市や名取市議会では啓発を促す取り組みも多く、市で主催あるいは後援するイベントは「香料自粛」の注意喚起がなされているものも。これまでは仙台市だけだったが、名取市の議会でも取り上げられホームページ掲載もするようになった。
勉強会も積極的に開催している。もちろん香料自粛。
双方の市役所とも、香料自粛のポスターはありませんでしたが、ホームページ上でも化学物質過敏症などの周知に取り組んでいる。
仙台市『化学物質過敏症についてご理解とご協力をお願いします』:https://www.city.sendai.jp/kenkosesaku-zoshin/kurashi/anzen…
また、同市の教育委員会は、シックスクール対策の資料も作成している:https://www.city.sendai.jp/hokentaiku/kurashi/manabu/kyoiku…
(学童・生徒が新たに化学物質過敏症を発症しないために、子どもが集う施設などに理解を求めるには有効なツール。予防や揮発性有機化合物についての記載もある。)
名取市『「香害」ご存知ですか』:http://www.city.natori.miyagi.jp/bunya/life/node_31351/node_31575/node_51124
(「香害」と「化学物質過敏症」について触れている。)
秋田県庁:無(2018.8/22確認)
国民生活センターにて相談を。消費者庁の指示に従う、との事。
山形県庁:無(2018.8/22確認)
山形県HP内で化学物質過敏症に配慮する文言など部分的な理解は伺える。公共の場などでの配慮を促せるよう考えて行きたい、とのこと。
福島県庁:無(2018.8/22確認)
福島県では、住居の建材などによるシックハウス症候群対策の資料を作成するなど積極的。https://www.pref.fukushima.lg.jp/se…
だが、厚労省に定める6物質のみ規制すれば問題ないと受け取られかねない点は誤解を招く。「シックハウス症候群」と「化学物質過敏症」は厳密には違うものとしているが、有害な化学物質が〝発生する場所〟の違いとなり、今やシックハウス対策の揮発性有機物質(VOC)規制は自動車や印刷業界でも行われているため、住宅建材に使われる有機リン系殺虫剤や防腐剤などであっても化学物質過敏症の発症にもつながる。https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/28882.pdf
住まいの環境問題(化学物質過敏症):https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21110a/shitsumon-kankyo.html
こちらでは住宅建材や家庭用品などの化学物質によるものと記載があり、シックハウス症候群と化学物質過敏症を特段分けて考えていないため理解しやすい。しかし、ここでも厚労省の定める特定成分のみが該当するため、香料による健康被害は含まれない。
このページを管理している県北保健所も、県庁や厚労省に指示に従うしかないため、あとは市町村がどれだけ臨機応変に被害者に向き合えるかが重要。
本宮市『「化学物質過敏症」をご存じですか?』:http://www.city.motomiya.lg.jp/soshiki/11/kagakubussitukabunshou.html
ポスターではなが、印刷用ページをそのまま配布するなど有効なツール。見た目で訴えることは難しいが、公共施設の利用者に理解を求め地道に広めることに変わりはない。
※2018年9月調査
※殴り書きのため荒い文章ご了承を
残念ながら、都道府県レベルで各自治体の問題を把握しているのは少数。
教育の現場で起こっているシックスクール問題などは市町村任せとなることも多く、都道府県が詳細を把握するまでには時間がかかるのかもしれないが、いつまでも問題を避けては通れない。
今や、香料ブームの弊害として化学物質過敏症を発症する患者が激増している。香料による被害も増え続ける一方で、その被害報告は全都道府県で報告されており都会だけの問題でなはい。
都道府県という行政にあっても、「日本消費者連盟に相談してみては?」と被害者を取りまとめている消費者団体にゆだねる策しか持ち合わせていない都道府県庁さえある。行政側として消費者団体に丸投げするような自治体は不要。
◆香料自粛・化学物質過敏症の周知への全国の流れに↴ 戻る ↴↴↴
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まとめ記事をありがとうございます。とても参考になりました。旭川市はリーフレットの他に、啓発ポスターが2019.2に完成しました。公共施設、学校に配布され、掲示されている施設もありますが、施設長の判断により掲示されない施設もあります。
どなたでもダウンロードできますので、ご活用くださいませ。