香料による健康被害に対して各国では関連法規がありますが、日本では成分を特定することすらできません。そんな日本では、昔から新たな法律を制定するにも時間がかかり、企業からの法人税や役人とのしがらみから国主導の法規制が設けられることは難しい状況です。
受動喫煙対策にしても、国の規制では「甘すぎる」「骨抜き」と批判が多く、結局は都道府県やその他自治体で国を上回る条例を制定しようという動きが多くなってきています。
それは「香害」についても同様です。
香料自粛のポスターを作成するなど、周知を図る自治体が増えてきましたので、一覧にまとめます。
シックスクール問題に苦しむ子ども、妊婦健診に通う必要のある人、香料アレルギー自体やその他アレルギーを増悪させてしまう等々…問題に公共性の高い施設への掲示と周知にご利用ください。
また、引き続き消費者庁への相談も併せてお願いします。
消費者ホットライン℡188:http://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
三重県庁:無
何も無し。シックスクール問題も建材由来のシックハウス基準しか把握しておらず、情報も古い。
以下のように対応している自治体もあるにも関わらず、問題として把握すらしていないのか、ただ問題として取り上げると面倒なので避けているのか?
松阪市:無
環境調査報告書によれば、VOCを吸い込み続けると、化学物質過敏症(アレルギー)を起こすこともあるほか、発がん性が確認された物質もある、との見解は確認できるが、具体的な周知はなされていない。
(以前は健康推進課より〝化学物質過敏症〟の周知を図るページがあったが、今は削除)
名張市:『香料自粛のお願い』http://www.city.nabari.lg.jp/ct/other000003900/099001510-kagakubussitu.pdf
〝アレルギー症状や喘息などを誘発することもありますので、配慮されますようお願いします。〟とあり、化学物質過敏症だけに言及するに留まらない対応に、知識と理解の程が伺える。
また、市では、化学物質過敏症による健康被害を防ぐために、公共施設において香水等の自粛をお願いる、とHP上に記載がある。→http://www.city.nabari.lg.jp/s020/030/050/460/210/201502052960.html
ここ最近の香料による発症者急増を考えれば、発症を未然に防ぐことが大切であり、発症したとしても診断できる専門医に受診するのは簡単なことではない。診断の有無に関わらず、公共の場で他人を苦しめる香料を持ち込むことについて自粛のムードが強いことは喜ばしい。
市民のその場の感情論ではなく、将来的な健康に関わる問題を見据えた賢い選択がより周知されることが今後の課題。
伊賀市:あり
2008年頃~『香料自粛のポスター』を作成および掲示。
〝庁舎、各支所、各施設へポスターを掲示。学校、病院などについては、各担当へ依頼。〟としている。現在はポスターのURLも掲載をやめているが、10年経ったため再考したい、とのこと。(2018.9/4健康推進課)
東員町:削除
該当ホームページ削除。
滋賀県庁:無
シックハウス関連に一部記載があるのみ。
住宅建材以外にも身近なところで揮発性有機化合物が発生し、継続的・反復的にさらされれば体内に取り込まれ、分解・代謝できない物質は蓄積されていってしまう。住宅建材由良でなくとも発症までは同じような経路をたどり、住宅建材由来のみがシックハウス症候群として扱われる狭義な現状から1歩だけ進んだ内容。→http://www.pref.shiga.lg.jp/h/jutaku/anzen_ansin/sickhouse/sickhouse05.html
◆国が対策に乗り出せない理由を把握し、地方自治を発展させていってほしい。↴↴↴
大津市:『化学物質過敏症啓発ポスター』http://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/2/keihatsu2.pdf
病気を周知させても、具体的な解決方法が一目で分かりにくい・・・と感じる。また、化学物質過敏症の診断のできる専門医に簡単に受診できるわけではなく、発症しないように予防するという観点も抜けてはいないかと物足りなさもあるので、下記のページも合わせて活用したい。
化学物質過敏症の人間だけが症状を訴えるのではなく、嗅覚に敏感な発達障害の方や、感覚的な過敏期でもある妊婦、感受性の敏感が小児、花粉症などのアレルギー体質の方にはアレルギーを強毒化するアジュバント効果も知られている。鼻粘膜や気道が弱い方にとっては鼻炎・鼻閉など、咳が止まらなくなり最悪は喘息発作を起こすなども指摘されている。
また、症状はなくとも体内に蓄積される報告もあり、特に代謝・分解されにくい有機物は脂質移行性が高く神経や脂肪分の多い部分に蓄積されやすい。授乳婦では、母乳からも検出される。その母乳を飲むのは新生児や乳児などであり、成人でも代謝されにくい成分を取り込むことになる。消化機能や代謝能が未発達な子どもは、体脂肪で守られていることを考えれば、さらに蓄積される可能性を考えなければならない。
それらも踏まえて、一人一人が発症するリスクも考えられるよう最後にこう綴っている。〝化学物質過敏症は、いつ誰に発症するかわかりません。ですから、他人事ではなく、「どんなことに気を配れば、化学物質過敏症の方が安心して暮らせるのか」ということを、少し考えてみてください。〟市民の健康を守るために、自治体としての基盤は整っていると感じる。
→http://www.city.otsu.lg.jp/kenko/kenko/zukuri/1387441941747.html#h_idx_iw_flex_1_5
彦根市:無
注意喚起『増えています化学物質過敏症』→http://www.city.hikone.shiga.jp/0000002533.html
いつ誰が発症してもおかしくない点から予防を原則としていること、住宅建材に限定したシックハウス対策にとどまらず身近な日常生活の場に症状を引き起こしかねない成分を含んでいることなど今現在問題視されている点に具体的に触れており非常に分かりやすい。
また、支援団体や専門病院のリンクがあり、特にCS支援センターなど誰に専門的な相談をしたらよいか分からない方も多いことから非常にありがたい情報となる。
守山市:広報に〝香水・整髪料など香料自粛のお願い〟を掲載。
甲賀市:広報に〝化学物質過敏症について〟掲載。
野洲市:『化学物質過敏症をご存知ですか』http://www.city.yasu.lg.jp/kenko/kenkou/iryou/1454413385608.html
大津市に関して記したように、化学物質過敏症を発症した方だけの問題ではなく、様々な方が悪影響を受ける健康問題。発症したかどうかの確認したくても専門医に受診すら難しく、治療は原因の除去が何より第一となる。
そうならない為にも、〝誰にでも発症の可能性があります。あるときを境に突然発症しないとも限りません。〟と記載があり、予防を原則との理解が伺える内容。
京都府庁:無
『シックハウス症候群について』http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/sick.html
シックハウスの発生源として、住宅建材以外も例にあげている。芳香剤や消臭剤も発症の原因になりかねないとして記載され、予防が重要としている。
しかし、シックハウスの狭義的な定義からは、住宅から1歩出ると成立しえないため対策が進展しないという現実を把握できていないのでは。
このままではシックスクール対策も不十分。
京田辺市:与謝野町:削除
上記でも記載したが、香りによる健康被害をうけたとの相談は全都道府県からあがっていることが日本消費者連盟の調査で分かっている。問題が表面化させないように取り繕っても、発症者が激増している中で避けているだけでは後々の対応に苦しむだけ。
新規合成化学物質の取り締まり規制が全く機能しない中、各自治体で独自に対策に乗り出さないといけない段階にある。
大阪府庁:無
こちらのシックスクール対応マニュアルを見ても、その場しのぎの発症者の対応がメインとなっている印象。しかも、他の都道府県の対策をそのまま導入し自らが考えて対策をしようとした努力が全く見えない。
既存のシックハウス対策では、規制が追い付かないことを把握していないのだろう。そして、発症者の扱いについては診断書や医師の指示書を元にしないと何もできない。それでいて、できることとできないことがあると結論付けてしまっている。
発症しても気付かない児童生徒も重症化から守らなければならず、予防が原則としての観点が抜けている。あとは、このマニュアルを各自治体がどう判断するかのみ。
日本消費者連盟関西グループ
『香料による健康被害が深刻に』http://www.kanshokyo.jp/web/kouza/kenpatu/49/pdf/49_10.pdf
こちらの調査によると、衣類の香りで勉強や授業にも差支え、受験の際にも影響を受けたという記載もある。しかし大阪府教育委員会は香料による健康被害もあることを把握していなかった。その後の発症を未然に防ぎ、香料による健康への影響は大小様々あるため、平等に教育を受ける権利を担保できるよう、考えているのだろうか。
いつまでも、古いシックハウス問題の概念や国が定めた室内環境基準に委ねていては解決にはならない。
大阪市:『化学物質過敏症の理解と協力を』http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000063/63270/kagakubussitu.pdf
強く〝化学物質過敏症〟を全面に出しているが、香料による健康被害を受ける人間が非常に限定的であると受け取られかねい。その辺りは、滋賀県大津市にも記載した。
また、化学物質過敏症という疾患の有無に関わらず、健康への悪影響を周知させることの方が重要。苦しんでいるのは、化学物質過敏症の人間だけではない。(※詳しくは上記の大津市へ)
健康局 健康推進部 健康施策課は、〝今後とも引き続き、様々な機会を捉え啓発を行い、化学物質の使用に関し特に公共施設など不特定多数の人が利用する場での配慮を求めるなど情報発信に努めてまいります。〟としている。→http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000423014.html
しかし、香料による健康被害を全てが化学物質過敏症だと括ってしまうのは、現実に被害を被っている市民の声を理解できていない。正直、香料による健康被害を受けるのは特殊な極稀な人間だけであるとして、表面上の対応をしているだけだとさえ感じる。公務員によくありがち。→http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000426446.html
海外からの観光客でさえも、大阪観光に苦痛な症状を訴えている。→http://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000423022.html
HP内で情報発信、ポスターを掲示するだけでは、もはや解決する気はないと感じるし、他人任せの状態。これで、観光客増や万博誘致の計画では、日本のバリアフリー意識の低さとリテラシーの欠如など恥をさらすようなもの。
アロマを振りまいたりすることがサービスであると勘違いしている日本人もおり、フレグランス文化が未熟な文化的背景から歯止めがきかない。除菌剤や消臭剤を身に付けることがエチケットだとする勘違いは、テレビCMによる影響を強く受けているものと考えられる。
また、日本の柔軟剤は香水と大きく異なり、いつまでも持続的に香料が続き、さらに遠くまで香料を感じるように設計されているものが多い。同じ空間にいるだけでも香料が充満し強烈に持続する。
一見対策をしてそうな風を吹かせてるが、これが全てでは困る人もまだまだ多いはず。
岸和田市:大阪府発行のポスター
『化学物質過敏症をご存知ですか?』https://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/33/topic-kagaku.html
建材や化粧品・家庭用品などに含まれる化学物質に敏感に反応して、様々な症状を引き起こすのは「化学物質過敏症」に限った話ではない。(※上記の滋賀県大津市を参照のこと)
〝誰にでもこの病気になる危険性があるといわれています。〟とあるが、だからこそ予防が前提であることを理解していない。
〝身近に存在する芳香剤や消臭剤、合成洗剤などの家庭用品や、化粧品、香水やヘアスプレーなどに含まれる化学物質〟と具体例もあげているが、健康推進課が対応した既成事実が欲しいだけではないかと疑いを持つ。⇓
【理由】ゆるキャラ「ちきりくん」使用申請…https://www.city.kishiwada.osaka.jp/uploaded/attachment/51371.pdf
●留意事項●着ぐるみ使用後は、無香料の消臭・抗菌スプレーを散布し24時間以上陰干しした後、指定場所へ返却してください。
今、市販されている消臭・抗菌スプレーの中には成分の開示すらなされていない問題商品が多く、様々な研究機関や民間団体の専門家が危険性について警鐘をならしている。
例えば抗菌剤とは、言い方を変えれば「抗菌薬」や「抗微生物質薬」であり、24時間干したとして消失するものではない。次回に着用した方が自身の熱気で揮発し吸引、そして体内に取り込まれることを考えれば、安易な使用は避けるべき。
非科学的な抗菌剤の使用が、あたかも常識かのような記載がされている時点でメーカーのテレビCMの影響を強く受けていると分かる。
生分解性の良い消臭剤を市で用意し管理するなど、身の回りの化学物質を体内に取り込まないようにする注意するというのは、まさに良い例。香料だけが原因ではない、揮発・吸引し体内に取り込む化学物質全てに慎重に考えるべきであり、体内に取り込まれる化学物質の8割が吸引(呼吸)によるとされている。
◆化学物質過敏症の原因となる物質の摂取経路について。↴
香料だけでなく、揮発するものは鼻粘膜・嗅覚などを刺激する。↴↴↴
吹田市:『香料自粛ポスター』http://www.city.suita.osaka.jp/var/rev0/0112/9254/2010316121235.pdf
こちらも、化学物質過敏症の方に限った症状であるという認識が伺える。また、発症しないように未然に防ぐという予防的な観点がかけている。これでは、十分な理解は得られにくい。(※上記の滋賀県大津市に同じ記載あり、参照のこと)
『化学物質過敏症へのご理解とご協力をお願いします』→http://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-kenkoiryo/hokencjigyo/_73553/_73555.html
〝香水や整髪料等の香料に含まれるわずかな物質を原因に、アレルギー症状や喘息などが誘発される方がいます。〟とあるが、香料には天然や合成に関わらずアレルゲン感作性が指摘されているものも多い。よって、アレルギー症状が誘発されたからといって、それのみで化学物質過敏症とされる訳ではない。
香害は、化学物質過敏症とイコールでもなければ、同義でもない。
重要なのは、他人に揮発性有機化合物を吸引させないことと、暴露される機会を極力減らすこと。好きで使っている本人だけが慢性的な吸引を続けて発症しても自己責任となるが、昨今の高残香性の柔軟剤は屋外の距離の離れたところにいても香料を強く感じる商品が多いため社会問題化していると、要点をしっかり再認識してほしい。
環境たばこ煙と同様に、他人に吸引させてはならない。
また、心地よい香料だと感じても、人によってはアレルゲンとなり、また分解・代謝できない蓄積性の高い有機物である可能性もある。臭いから有害・良い香りは無害…という勝手なイメージから脱しないといけない。
◆天然・合成香料に関わらず、アレルギー感作性が指摘されている。↴
日本香料協会、日本消費者連盟、渡辺和男先生(医学博士)の情報・データを参考にまとめています。↴↴↴
高槻市:『化学物質過敏症について』http://www.city.takatsuki.osaka.jp/kakuka/kenkouf/hokeneisei/gyomuannai/kankyo/eisei/kabinshou.html
これは、やっつけ仕事の典型。この情報に何の有用性も感じない。
市のHP内に、シックハウスの予防に関連した高槻市保健所の資料もあったが、国が定義するシックハウスの基準のなかで当り障りないことが記載されているのみ、啓蒙活動には使える資料ではない。
富田林市:『化学物質過敏症をご存知ですか?』https://www.city.tondabayashi.lg.jp/uploaded/attachment/1933.pdf
こちらも、化学物質過敏症の方に限った症状であるという認識が伺える。また、発症しないように未然に防ぐという予防的な観点がかけている。これでは、十分な理解は得られにくい。(※上記の滋賀県大津市に同じ記載あり、参照のこと)
『化学物質過敏症』https://www.city.tondabayashi.lg.jp/soshiki/28/1266.html
大阪では共通して、香料による健康被害は「化学物質過敏症」の方だけに起こるものと思い込みが一様に感じられる。どこかの市で作成されたものを真似しているだけで、自ら理解しようとしてないのではないか。
作成する側に、自分には関係ない・一部の稀な体質の人間だけの問題だという意識があるのかもしれない。
河内長野市:化学物質過敏症をご存知ですか?http://www.city.kawachinagano.lg.jp/cases/kenko_iryo/kennkoudukuri/1285898820170.html
上記の自治体と同じ。(※上記の滋賀県大津市も参照のこと)
しかも、〝化学物質過敏症へのご理解をお願いします。〟だけでは何の啓発にもならない。発症した方への理解も大切だが、発症しないよう未然に防ごうとする意識が全く感じられない。
大阪狭山市:『香料自粛のポスター』http://www.city.osakasayama.osaka.jp/sosiki/somubu/zaiseigroup/oshirase/1411278140128.html
同上。(※上記の滋賀県大津市も参照のこと)
正直、大阪は表面上は対策をやっているようで、全体を通してみてもただのパフォーマンンス。他の真似事をしても、本質を理解できていなければ無意味なのではないだろうか。担当者は、誰が専門家でなのか何処に相談すべきかも分かっていないように見受けられる。
兵庫県庁:無
『住宅地周辺の街路樹などの病害虫防除にあたっての留意事項について』https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk09/af07_000000019.html
農薬や除草剤に関する資料しか見当たらない。
〝最近は、化学物質過敏症の方も増加しており…〟とあるが、小学校周辺での農薬散布事故のことなど知らないのだろうか。発症者への対応はもちろんだが、発症したら簡単に解決できる問題ではない。発症しないために、散布者も周辺住民も暴露をさけるように注意を促さなければならない。
農薬も、除菌剤も香料も…慢性的なを繰り返したり、いっきに吸い込んだりすれば、中毒とアレルギーの複雑に絡み合った症状が現れてくる。農薬と香料を同じように、規制されない新しい合成化学物質として認識している岐阜市を参考にしてほしい。
心地よい香りだと感じても、吸引による急性毒性や蓄積性について、農薬と同じレベルで化学物質を特定しデータを公開しなければならない。「心地よい香りは無害だ」という思い込みや決めつけはやめ、国による規制がなされるまで予防を原則としなければ誰の健康も守れない。
そもそも兵庫県は、一般家庭でのゴミ焼却なども古い慣習を優先させる考えが蔓延しており、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に関しても順守させようとする気もない自治体も多い。健康被害という問題よりも、一部の利権構造を守ることを優先させる。問題として取り扱わず、既存の支持層を失いたくない議員や地方自治の長の思惑がまかり通ってしまっている国内随一の典型。自家焼却程度の温度では、ダイオキシンなどの発生は抑えられないなどの理由から成された法律よりも、自分たちの利益を優先してしまう自治体はもはや機能していないも同然。
奈良県庁:無
何もなし。ここまで議題にすら挙げない自治体は他にない。
何度でも書くが、日本消費者連盟による調査で、香料による健康被害は全国すべての都道府県より報告があがっていると既に分かっている。いつまで知らぬ存ぜぬで対応しないでいられるだろうか。
天理市:『化学物質過敏症について』
http://www.city.tenri.nara.jp/kurashi/kenkofukushi/kenkoiryou/1391752647226.html
とても平たい表現を用いてあり、非常に分かりやすい。日常にありふれていることが伝わる内容。
厳密には、一時的に目がチカチカしたり、頭痛、咳込むなどの症状が出たとしても化学物質過敏症であるとは断言できない。しかし、身近に化学物質過敏症を引き起こす物質が溢れていることに当事者意識を持って受け止めることができる。
誰でも発症する可能性があることを考えるには良いツール。
和歌山県庁:無
何もなし。
出来ない事情として思い当たる節もある。大手洗剤メーカー〇王の主力工場(和歌山市)があることで有名であり、2018年夏には元従業員が化学物質過敏症で退職を余儀なくされた裁判に決着がついたことも大きな話題となった。やはり「香り付き商品」工場での被害であり、その商品の検査分析に従事している際にクロロホルムやノルマルヘキサンなどの揮発性有機溶剤を吸い込んだことによると裁判で認められた。
しかし、ここに住む住民の中には、このような商品の製造業務に携わる方も少なくないだろう。そして、自治体も企業の誘致によって税収を得ていることは非常に大きく影響するだろう。その恩恵を優先するか、自粛を促すか、自治体の対応を想像するに容易い。
ただし、このような企業に勤める方々は、非常に自身の健康について案じている部分も多いと言われている。今回の裁判で明るみになった以外にも被害に泣き寝入りしている元従業員も多い。よって、より身近な問題としてとらえている地域であるとも言える。
橋本市:『香料(香水・整髪料など)の使用自粛にご協力ください』
http://www.city.hashimoto.lg.jp/life_mokuteki/kenko_iryo/1360110658018.html
ポスターではないが、一見シンプルでいてよくまとまっている。
化学物質過敏症の方々への配慮という意味はもちろん、発症しないよう予防という意味合いも重要。
周知のため広範囲に利用できるが、付け加えると 化学物質過敏症だけが問題なのではない。 香料やその他様々な揮発する化学物質を吸引するなど体内に取り込むことで、健康に悪影響があるのは化学物質過敏症だけではないからだ。
妊婦や授乳婦も吸引は避けるべきであり、特に授乳婦が取り込んだ人工香料については母乳中にも移行するといったデータもでている。香料など多くの化学物質には内分泌かく乱作用などの報告もあり、新生児や乳児が母乳から取り込む弊害など懸念されている。同じように、体脂肪の比率が多く、薬物代謝能が未熟な小児は香料などの脂質移行性の高い難分解性の有機化合物を体内に蓄積しやすい。成人でさえも健康被害が増えているなか、大人になれば問題ない…解決するだろう…体質改善でどうにかなる…とする考え方では筋が通らない。予防が原則。
また、化学物質過敏症でなくとも、片頭痛持ちの方や喘息の方にとっては症状を誘発する原因となり、感覚過敏傾向のある方々にとってみれば苦痛でしかない。香料はただの〝香り〟と軽くあしらわれるが、感覚器官に何かを伝える刺激物でもある。その刺激に鈍感な人もいれば、当然のように敏感な人もいる。鈍感な人が、敏感な人に強要してもいいという話にはならない。
※2018年9月調査
※殴り書きのため荒い文章ご了承を
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