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花粉症対策で大切なこと|いまさらだけど、商品を買う前に知っておくべきこと!

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若干、春らしい陽気を感じ始めた頃、盛んに広告合戦が繰り広げられるのが〝花粉症対策関連商品〟です。その宣伝には、薬機法(旧・薬事法)違反スレスレのグレーな表現が巧みに使われていて違和感を覚えますが、消費者に良いイメージを持たせることが宣伝広告の本来の目的なので当然のことと言えば当然なんですよね。

商品の規制が曖昧な「雑貨品」であるからこそ起こりうる問題なのですが、花粉症でつらい症状になやんでいる方の藁をもすがる想いを逆手にとった販売手法が過熱しすぎではないかと感じます。
その宣伝は企業のCMだけではありません。企業の宣伝に乗せられて、どうにか商品を売ろうと作られたサイばかりですし、どのサイトでも同じようなことを言い、同じような商品をすすめているように思います。

たかが「雑貨品」で、正解かなんてありませんし、商品のレビューをいくら見ても、主観的なことしか分かりません。当然のことながら、「コレが劇的に効く!」という商品どころか、イマイチ微妙なレビューばかりで溢れています。

だからこそ基本に立ち返って、改めて対策し直してみる必要があるのではないでしょうか。


まず、「衣類」対策が…??

どのサイトを見ても、まず〝衣類に花粉が付着するのを防ぐ商品〟が多く取り上げられています。

総じて大約すると『表面がツルツルしているポリエステルなどの素材のコートを選び、柔軟剤や帯電防止スプレーを使用する』…というものです。

たしかに表面がツルツルしていれば、花粉が付着したとしても除去しやすそう?な、イメージを持ちます。しかし、ガラスやスーパーの買い物袋に使うポリ袋(ポリエチレンなど)、学校でノートの下に敷く下敷き(ポリ塩化ビニルなど)を例にあげても分かるとおり、砂埃やハウスダストなども付着しやすいですよね。
いくら静電気が起こりにくいように処理をしても、いくら表面がツルツルしているものであっても、帯電しやすい素材であれば効果はないかもしれません。

つまり、麻や綿などの帯電しにくい素材を選ぶべき!ということですね。

ちなみに、環境省が行った調査【図↖リンクあり】では、ウール素材のコートなどは避けるように、という結論になっています。

この実験では、日中屋外に4時間放置した時の比較になるので、帯電していないと考えられます。※動くことや、擦り合うことで帯電します。

各社メーカーが、実験上あえて静電気を発生させて、帯電した衣類に付着した花粉の数が多いというデータを提示しているので、帯電しにくい素材のコートなどを羽織れば、衣類の花粉症対策になりますよね。

ただし、厚生労働省の調べによると、ウール(毛織物)以外の衣類には、ほとんど花粉は付着しない、としています。
ここまで書いておいて水を差すようですが、繰り返しCMなどで刷り込まれたイメージとはかなり違うことに驚きますよね。

なんと、メーカー各社は衣類の帯電防止を目的に様々な商品を宣伝しているのですが、実は、衣類の静電気防止スプレーなどについては〝花粉が付着しやすいウール(毛織物)であれば効果は期待できる〟としています。

確かに考えてみれば、花粉は受粉するためにあるものであって、昔から、昆虫や動物などの活動によって受粉成功に役立ってきました。花粉は、昆虫や動物などのカラダ表面に付着しやすいというのは、当然のことですよね。

▼厚生労働省≪花粉症特集≫
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kafun/index.html

衣類の対策がメインじゃない…

ここまで、ウールなどの毛織物や毛皮製品でなけでば、ほとんど花粉が付着することはないということが分かりました。散々、テレビCMなどで花粉対策用の柔軟剤だの静電気防止スプレーだの、衣類の花粉除去に特化した除菌スプレーだの、売り込み競争が激化している状況を改めて冷静に見ることが必要だと感じてきました。

今まで症状のツラサから、信じてやって来たことって…。
衣類の静電気を防止することが、対策の全てたどすら思っていたのでショックを受けます。




また、環境省も厚生労働省も、「鼻や喉などの鼻粘膜などを正常に保つこと」が重要としています。

除菌スプレーは殺菌作用のある成分を含むため、吸引すると鼻粘膜や気道粘膜を刺激しますし、香り付き・抗菌防臭系の柔軟剤については香料や殺菌成分が揮発しているので避けるべきですよね。静電気防止・防水スプレーについては、消費者庁からも注意情報が出たように呼吸器系の中毒事故にも注意するように、と公表されています。
http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20130404_1.html

防水スプレーによる事故は、シリコン樹脂やフッ素樹脂などの吸引が根本的な問題とされていますが、そもそも粒子径10μm以下のエアロゾルは吸入によって肺深部に到達するので、鼻粘膜を通り、気道、気管支、肺胞までの影響を考えて、人けのいない場所で使用しなくてはなりません。

吸引注意の表示確認〟は当然のこと、〝狭い空間・屋内での使用〟に関連した注意事項が記載されているものに注意するべきですし、香料・除菌成分による粘膜刺激についても、自身のアレルギー症状を悪化させている原因として考え直す必要があります。

各省庁が言うように、静電気を防ぐ帯電防止スプレーで効果はイマイチなのかもしれませんが、防水コーティング剤の入ったスプレー処理はしておいても良いのでは?と思いました(※詳しくは後述)

花粉は「顔と頭」に付く!!

そして、衣類への付着よりも、顔や頭の方が花粉が付きやすいので対策をすべき、としています。


何となく、「」まわりの対策はイメージしやすいですよね。目や鼻などの粘膜の痒みが1番の悩みのタネとなるわけですから、その対策に花粉対策メガネやマスクをしている訳です。

実は、「」に花粉が付きやすいということが意外と大切なことだったのです。

先程、ウールなどの毛織物や毛皮製品に花粉が付着しやすいという話を確認して頂きました。よくよく考えてみると、ヒトの毛髪も動物毛なんです。できるだけ髪を束ねたり、帽子をかぶったり、などと対策している方もいらっしゃるかもしれませんね。

櫛の素材を変えるだけでも、静電気の防止につながりますよ。

プラス(+)に帯電しやすい性質のある毛髪に、マイナス(-)に帯電しやすい性質のあるプラスチック製の櫛を擦り付けるということは、摩擦で静電気を発生させていることになります。

水分で濡れていれば静電気は発生しないといこともなく、たとえば雨に濡れた手でもバチバチっと静電気が発生することがありますよね。ぜひ、『帯電列』についても確認して見直してみてはいかがでしょうか。

あとは、ヘアケア用の静電気防止を謳うスプレーの効果はイマイチなので、洗髪から見直しを検討されてはいかがでしょう。

いつも洗髪時のシャンプー後にトリートメントのみの方は、コンディショナーヘアリンスに変えたり、または加えたりしてみるもの手段の1つとなります。ヘアケア用のリンスは「衣類の柔軟剤」と同じ陽イオン界面活性剤ですので、表面をコーティングして手触りよく、そして帯電防止の効果もあります。

ただし、陽イオン界面活性剤は強い刺激性のある成分なので、頭皮に付けたり、洗い流す際には肩や背中などにかからないように注意しましょう。と同時に、柔軟剤やリンス剤を水で薄めて「静電気防止スプレー」に、という用途外の宣伝までもしているTV番組まであるようですが、陽イオン界面活性剤は殺菌作用を併せ持つように、細胞に対する毒性があります。
間違っても、ヒトに直接スプレーすることなどしないようにしてください。

菌を殺したりする作用があるということは、細胞に刺激があるということです。用途外の使用はしないように、こちらの件もメディアの戦略に影響されないように注意してください。


ペットの毛にも付きやすい

花粉が動物毛に付着しやすいということは、外に散歩にいく犬などはたくさん花粉を付けて帰宅するわけです。

しかし、絶対にペットに対して静電気防止スプレーなど、決してしないでください。ヒトであっても呼吸器系中毒や肺の障害など事故が起こっています。ヒトよりもさらに鼻粘膜が繊細で、体積も小さく、解毒能力が未熟な動物に対しての使用は「死」に繋がります。
かならず、ペットショップで相談の上、ペット専用の汚れ付着防止グッズを購入するようにしてください。

最近では、花粉対策にもなるペット専用の雨具など可愛らしい洋服もあります。愛するペットのためとはいえ、なにかスプレーしたり薬品を付けたりするのに気が引くな…という気持ちもあるので、花粉シーズン用のペットのお洋服を用意していいですよね。

お散歩から帰ってきたら、水で濡らしたタオルで拭いてあげましょう。(毎回お散歩後にシャンプーするわけにはきませんし、シャンプーのし過ぎはペットの健康に悪影響も…)

花粉は湿気を含むと重くなり床に落ちやすくなりますし、濡れたタオル軽く添わせるように拭くと水分の多いところに付着します。「拭き取りウェットシート」などでも8割の花粉の除去が出来たというデータもあります。

▼「花粉がペットの体毛に付着し室内に持ち込まれる」ライオン商事
http://www.lion-pet.jp/press/2018/06.pdf

湿度を高くしておくだけでも、水分を吸った花粉の比重が重くなって床に落ちます。

〝花粉も粒子〟だと改めて考えてみれば納得ですよね。目に見えづらい程のサイズ、細かい砂埃のような微粒子です。

「ウェットシート」で除去できる

花粉の対策が必要なのは、ウールなどの毛を使用したものであることが分かりました。そして、ペットの体毛に付着した花粉は「ウェットシート」で大部分が除去できることが分かりました。

であれば、ヒトの対策も同じです。

花粉対策のヘアケアは、帯電防止のためにリンスをしておき、帰宅したらウエットシートや水で濡らせたタオルなどで拭き取れば部屋に持ち込む花粉を減らすことができます。さらに風呂場に直行して、洗髪してしまえばいいですね。

水分で拭き取れば除去できますし、湿度を高くしておけば花粉の粒子は重みが増して落下する。つまり、ウエットティッシュや霧吹きとタオルなど、玄関に用意しておけば大方の花粉は除去できるということではないでしょうか。

それだけでは心配…という方は、衣類に防水加工のスプレーを施しておけばよいと思います。(上記で、衣類の帯電防止には意味がないとしても、防水スプレー剤は考えようがあると触れました。)

最初からコートなどに防水処理のコーティングをしておけば、衣服の繊維を濡らしてしまうことなく濡れタオルで表面を拭き取ることができます。大胆に、服に直接霧吹きで水を吹きかけてもよいので楽です。
(※実は、私がそうしています。)

何の根拠もなく勝手にオススメすることは絶対にしたくないので、データもさがして自身の花粉症対策方法を改良しました。玄関に加湿器を置こうかとも考えましたが、その必要はなくなりました。
また、凍結に注意が要らない時期になれば、玄関先の打ち水がてら花壇に水をやったりもします。

花粉の特性を知ることができれば、生活上の対策に活かすことができます。

掃除機をかけない!

当然、強い風で巻き上げるだけですから、掃除機はつかいません。

水分で絡め採りやすい性質を活かしたいので、フローリング用のウエットシート。壁から拭いていきましょう。花粉は水分を吸湿すると、比重が重くなって落下しますので、上から下への順番です。
掃除機をかける必要があるのであれば、ウエットシートでフローリングを一通りきれいに掃除してから。

今までCMで言ってたことは何だったのか…環境省と厚生労働省のページを見るだけでも驚きましたし、企業の宣伝を信じて鵜呑みにしていた自分に反省しました。

商品を売りたいがために「これが新常識!」と言わんばかりに、花粉専用の柔軟剤やスプレーなど散々のように宣伝していますが、〝企業が創り出した常識〟には疑いを持つべきだと感じました。これまでの苦労は何だったのかと憤りさえ覚えます。

もやは、花粉症対策商品は〝一大ビジネス〟となっているようです。

これからも、世の中に植えつけられた「刷り込みイメージ」や「企業に作られた常識」に疑問を持っていくように努めたいと思います。

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