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香料自粛のポスター【都道府県別】関東地方編

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香料による健康被害に対して各国では関連法規がありますが、日本では成分を特定することすらできません。そんな日本では、昔から新たな法律を制定するにも時間がかかり、企業からの法人税や役人とのしがらみから国主導の法規制が設けられることは難しい状況です。

受動喫煙対策にしても、国の規制では「甘すぎる」「骨抜き」と批判が多く、結局は都道府県やその他自治体で国を上回る条例を制定しようという動きが多くなってきています。

それは「香害」についても同様です。

香料自粛のポスターを作成するなど、周知を図る自治体が増えてきましたので、一覧にまとめます。

シックスクール問題に苦しむ子ども、妊婦健診に通う必要のある人、香料アレルギー自体やその他アレルギーを増悪させてしまう等々…問題に公共性の高い施設への掲示と周知にご利用ください。

また、引き続き消費者庁への相談も併せてお願いします。
消費者ホットライン℡188:http://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

都道府県コード順≪関東地方編≫




8.茨城県

茨城県庁(2018.8/24確認)

鹿嶋市ポスターは無いが、HP上に注意喚起あり『「化学物質過敏症」をご存知ですか?』→http://city.kashima.ibaraki.jp/info/detail.php?no=3645&pc=1
 「私たちが何気なく使用している香水や整髪料に含まれる香料も、化学物質過敏症の方にとっては、アレルギー症状や喘息などを誘発する原因になりかねません。」とある。シンプルだが、簡潔だからこそ伝わりやすい部分もある。誰でも発症する可能性があることにも触れている。

9.栃木県

栃木県庁(2018.8/24確認)

栃木県教育委員会では、学校におけるアレルギー疾患対応マニュアル http://www.pref.tochigi.lg.jp/m09/2016arerugi_manyuaru… の中で『学校におけるシックハウス問題、「化学物質過敏症」について』と触れてはあるが、情報が古いと思われ、また具体的な対策についての記載もない。あとは、市の教育委員会がどう判断するかによる。

宇都宮市:化学物質過敏症啓発ポスター http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/_res/projects/…

宇都宮市HP→ http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/eisei/…
※⇖ミヤリーちゃん「住めば愉快だ宇都宮」

また、すべての子ども達の健康を守るための「幼稚園・保育所のシックスクール問題対応マニュアル」→http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/kosodate/shien…
予防を第一に〟を目的としたマニュアルで、文部省管轄ではない子どもの健康を守るため教育委員会とは別に作成されていると推測できる。
体内に取り込まれたのち分解できない化学物質は、長期間かけて蓄積される。子どもの時期に限ることなく、全世代で共通して「予防を原則」に考えていく必要があり、そのベースになる資料。

10.群馬県

群馬県庁(2018.8/24確認)

ポスターは無いが、HP上で触れている『化学物質過敏症について』→http://www.pref.gunma.jp/02/d2910123.html
(環境省・厚労省のリンクを張ってあるのみ、厚労省の引用資料は非常に古い平成16年のもの)

一部関連情報として、農薬の空中散布の自粛要請について:http://www.pref.gunma.jp/contents/000040626.pdf
(関係者の理解を得られ、平成18年度以降、無人ヘリコプターによる有機リン系農薬の空中散布は実施されていない、との事)
無人航空機による空中散布について:http://www.pref.gunma.jp/06/f0900293.html

農薬の空中散布については、他の自治体からの評価と関心の高い功績。香料は今後。


11.埼玉県

埼玉県庁:『香りのエチケット』http://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/documents/kaorinoethiket.pdf
知っていますか?香りのエチケットhttp://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/kaorinoethiket1.html

〝柔軟仕上げ剤を使用したところ、「せきが止まらなくなった」、「隣人の洗濯物のにおいがきつくて頭痛や吐き気がする」といった相談が増えています。香りの感じ方には個人差があります。自分にとって快適でも、他人は不快に感じることがあることを認識しましょう。〟

また近年、化学物質過敏症に悩む方が増えている現状などを踏まえ、『住宅地等の農薬の使用について』リーフレット(環境省・農林水産省)もHP内に掲載http://www.pref.saitama.lg.jp/a0907/nb/documents/jyutaku_tuchisyuchi2018.pdf
住宅地等における農薬使用についてhttp://www.pref.saitama.lg.jp/a0907/nb/jyuutakuti-nouyaku.html

〝周囲に飛散することで、人の健康(化学物質に対する感受性の高い方)などに影響を及ぼす場合があります。学校や保育所、住宅地及びその周辺での病害虫や雑草の防除は、まず「農薬を使用しない方法」を考えましょう。〟

『猫が庭などに入らないようにする方法』http://www.pref.saitama.lg.jp/b0716/doubutu-shitumonn-neko…
(化学薬品などは、化学物質過敏症など健康被害の誘因となる可能性があるので使用はひかえるように、と記載あり)

…資料自体は充実している方ではあるが、各市町村など各自治体に指導や命令をすることはできない。この資料をいかに活用するかが重要であることは、「香料自粛のポスター」がまだ周知すらされていない現状から伺える。※県庁職員すら香害だ、という声もある。

新座市「香り付きの柔軟剤や香水、整髪料に含まれている香料が原因で、咳や頭痛、吐き気等の症状を訴える方が増えています。」として、市HP内に埼玉県『香りのエチケット』リンクを載せている。→http://www.city.niiza.lg.jp/soshiki/31/kougai.html

所沢市:化学物質過敏症を知っていますか→http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kenko/karadakenkou…
※使用量は〝香りの強さ〟とは関係ないため、批判的な声も多く挙がっている。規定量を守れば良いとの表現は、企業側に配慮したもの。

◆余談ですが、熊谷市が庁舎内と図書館にアロマディフーザーを設置するという企画があり、香害特集番組で紹介された件についてhttp://www.city.kumagaya.lg.jp/atsusataisaku/all/taisakupro/aroma.html
その後「気分が悪くなる」「気持ち悪い」等の御意見も寄せられ、多くの方々が来庁する施設への設置は控えることが望ましいと判断し終了した、とのこと。
天然香料であってもアレルギー感作性がある成分もあり、アロマディフューザーとエッセンシャルオイル(精油)による深刻な健康被害の実態がある。天然アロマだから誰にでも無害、有益とは決して言えない。
ましてや、妊婦や授乳婦への影響、感覚過敏を伴う発達障害の方、健康弱者への影響など全く思慮になく公共施設として全く相応しくない。

合成か天然香料かに関わらず、アレルゲン性香料として感作性が指摘されているものがあり、なかでも日本はなんら規制はありません。↴
ご注意を。↴↴↴

「香料アレルギー」香りの強さの問題ではない|天然香料と合成香料|香害

12.千葉県

千葉県庁(2018.8/24確認)

ポスターは無いが、参考になるツールを探してみるとすると、『う~ん、いい匂い!でも…。(柔軟仕上げ剤)』→https://www.pref.chiba.lg.jp/customer/display/h2601-smell.html
資料は古く、こちらも「使用量」の問題としているので、あまり使えない。国民生活センターも、業界への要望とのみ留まっている。

一応、健康づくり支援課で相談を受け付けているが、化学物質過敏症の診断がないと対応してもらえない。なかなか診断できる医療機関が限られており、発症しなければ対応しないという基準では、患者が激増している昨今の対応として妥当とは考えづらい。

佐倉市:『香料に関するご配慮をお願いします』→http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000004/4762/kouryou_poster.pdf
「化学物質過敏症」をご存じですか?http://www.city.sakura.lg.jp/0000004762.html
〝他人の香水や整髪料等の香料に含まれるわずかな物質を原因に、アレルギー症状や喘息などが誘発される方がいます。また、ある日突然、自分にもこのような症状が起きる可能性もあります。〟と記載がある。

成田市:『香料(香水・整髪料など)の利用についてお願い』→https://www.city.narita.chiba.jp/content/000009718.pdf
「香料の利用について」https://www.city.narita.chiba.jp/kenko_fukushi/page145400.html

浦安市・四街道市:化学物質過敏症の記載は削除された模様。


13.東京都

東京都庁(2018.8/24確認)

ポスターは無いが、「柔軟剤のにおい」の苦情・相談』→https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/attention/…
生活文化局消費生活部生活安全課https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/attention/juunanzai-131009.html
※但し、こちらも日本石鹸洗剤工業によるメーカー側に寄り添った内容。「使用量の問題」とされなように扱いは慎重に。規定量を守っても、〝においの強さ〟を抑えることはできない。

香害問題に対しては「低VOC製品の普及に努める」、としている。つまり、香料は、揮発性有機化合物(VOC)に関連する問題と認識していることが伺える。
東京都は、近県とともに光化学スモッグ対策に力をいれており、暮らしの中のVOCに着目した「きれいな空のために」シンポジウムを開催した。→http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/voc_life/
意外と身近なVOC発生源として〝一般家庭・オフィス〟が多く割合を占めるため、消費者も自身や家族のために低VOC製品を選ぶようにしよう、というもの。「身近な低VOC製品の選び方ガイドブック」http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/voc_life/index.files/guidebook.pdf

2018年7月27日には、夏季VOC対策セミナー~光化学スモッグのない青空を目指して~≪環境改善部化学物質対策課≫を開催。光化学スモッグによる健康被害、VOCを直接吸い込んだり長期にわたるとシックハウス症候群となる可能性もある≪東京都環境局≫http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/event/voc/ivent.html
着香製品に含まれる香料も揮発性有機化合物(VOC)であり、空間の総揮発性有機化合物(TVOC)は400μg/㎥以内が暫定基準とされていることを踏まえれば、香料による健康被害を周知させる資料は都のHP内に既に揃っている。

消費者に対しても、さらにグリーン購入の普及と促進をはかるとしている。→http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/policy_others/tokyo_green/tokyo_green.html
・エコ商品ねっと:http://www.gpn.jp/econet/
・グリーンステーション:http://www.greenstation.net/

このように、一般消費者向けの市民セミナーも開催され始め、事業所にはVOC対策アドバイザーの派遣業務も行っている。(他県では、VOCは企業や事業所のに関連、実に狭義で印刷分野のみの場合も)低VOC製品と環境配慮商品の普及と、「香りによる健康被害」の声も広めようと活動されている各議員の方々の今後に期待する。

世田谷区:『家の中の化学物質を見直そう』世田谷保健所 生活保険課 生活環境衛生(HP上には公開していないため、世田谷保健所に問い合わせを)
こちらのパンフレットは非常に優秀で、評価する声が多い。
理由としては、
①化学物質過敏症には触れず、香料による健康被害は誰にでも起こりうることが伝わりやすい。
②アロマオイルにも触れ、日本のアロマ規制が緩いこともあり〝アロマオイルとエッセンシャルオイル(精油)〟の違いすら知らないことへの警鐘になる。さらにエッセンシャルオイル(精油)であってもアレルギー感作性も指摘される成分もあることからEU等では規制されているものもあり、医薬品として流通している国もある程の薬理作用をもつ。妊婦や授乳婦、健康弱者にも、また小児は成長段階に応じて慎重に調合する必要もあると考えると、不特定多数に吸引させてよいものとは決して言えない。
③柔軟剤だけを例にあげるのではなく、近年〝香り付き・防臭香料入り・抗菌剤配合〟の洗濯洗剤も発売されてきいていることも周知できる。

板橋区:『柔軟剤などのにおい製品の使いすぎにご注意ください』板橋区消費者センター≪賢い消費者になるための情報誌≫http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/060/attached/attach_60238_3.pdf
ダイオキシン・環境ホルモン対策国人会議より専門家の情報
〝人工的なにおいは、危険性を疑われている化学物質がいろいろ入っており、それは鼻の粘膜から吸収され体の中に入ります。とくに妊婦や授乳婦のいる家庭では香りブームに安易に便乗せず、におい製品の安易な使用を避けたい。胎児や幼い子どもほど化学物質の感受性は高いのです。〟

豊島区:HP内で〝室内環境と化学物質〟について→http://www.city.toshima.lg.jp/214/kurashi/ese/kankyoese/shitsunai/001910.html
化粧品、芳香剤、洗剤、殺虫剤、殺菌剤などに触れている。

その他、区HPでも「化学物質過敏症」について一部記載はあったものの、解決策を示す内容は少なかったた省略。
とある教育委員会では、シックスクール対策には〝ホルムアルデヒドなどのシックハウス症候群に関連があるとされた個別の成分〟を基準値内におさめることで対応するとあり、国の定めた基準であればシックハウス症候群などは起こさないかのような間違った解釈も垣間見えるので、こちらも敢えて載せない。尚、総揮発性有機化合物(TVOC)に着目しシックスクール問題として児童生徒の学習権を守ろうとしている教育機関もある。

香料は〝さらに揮発性が高く、長く残るように〟作られている。これまでのVOCの概念では想定できない事態を招く、その可能性について真剣に考える消費者が増えてほしい。

14.神奈川県

神奈川県庁(2018.8/24確認)

香料自粛のためのポスターは無いが、柔軟剤のにおいの強さの比較調査を実施。→http://www.pref.kanagawa.jp/docs/r7b/cnt/f370222/p440347.html
臭気指数相当値が1番「高い」もの「低い」もの双方が国産の柔軟剤であったという結果から、〝外国製柔軟剤だけが香りが強いもの〟と思い込みには非常に有効。
※これは平成23年の調査であり、年々製品の香りの強度が増していることを考えると、再度調査を行って欲しいところ。

また、臭気指数について、神奈川県悪臭防止規制→http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7011/p23611.html
【神奈川県の規制基準】工場との〝敷地境界線上における規制基準(1号基準)〟は、1種地域(住居系地域)の臭気指数10と定めている。工場や事業場との境界地の規制基準よりも強い臭気指数に相当する。
工場などでの嗅覚測定法には臭気判定士が測定にあたるが、近ごろ臭気判定士が仕掛ける消臭・香りビジネスもあり、国家資格といえど嗅覚検査の合格率は高く尋常の嗅覚で差し障りない。むしろ、着香製品を身にまとった臭気判定士が正常な嗅覚で測定しているかどうか疑いを持たざるを得ない。

◆直接の関連はありませんが、
以前、消臭剤や殺菌剤をすすめるビジネスについて書いたことがあるので、載せておきます。↴↴↴

臭気判定士と「香害」≪消臭・除菌ビジネス≫に注意!警鐘広告から~香りビジネスの次の戦略~

受動喫煙対策に、全国に先駆けて国よりも厳しい内容で条例を制定した、という実績がある。全国の地方自治体の1歩も2歩も前を進んでいる。さらに、横浜市などで発達障害などの子ども支援も追いつかないと指摘もあり、シックスクール問題としても真剣に考えていく必要性に迫られている。

◆厚木市でも、上記の埼玉県熊谷市と同様に「香りでおもてなし」と称し公共施設でアロマディフューザーを設置。※上記を参照のこと
2016年8月末に終了。香りによる空間演出に対しては「意見が分かれた」とした。香りに敏感な方々への不快感につながったり、健康被害が起こる可能性について認識を改めつつも、「今後実施しない」とは明言していない。香りビジネスがあの手この手で広まりを見せる中、引き続き注視していく必要がある。

≪2018.10/11追加≫
神奈川ネットワーク運動 (地域住民や、県・市・町議会議員などによる)
https://kanagawanet.org/kougai
地域の声を自治に活かすため、地元議員の力を借りて大きく動いた地域が数々ある。この機会に、香害で悩む方は声を挙げては如何だろうか。香りを楽しむのであれば自分のテリトリー内で、抗菌剤は目的によって選択し非科学的な使い方をしない、スプレーやエアロゾル製剤などは他人の健康に配慮して使う場所を選ぶ、よくよく考えれば常識だと思われることを自治で問題提起する良い機会となる。

もし自治体ポスターの件で不足の内容等ございましたら、ご教示願います。m(__)m

※2018年8月調査
※殴り書きのため荒い文章ご了承を

◆香料自粛・化学物質過敏症の周知への全国の流れに↴ 戻る ↴↴↴

香料自粛・化学物質過敏症の啓蒙ポスター|香害




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